鮎(アユ、Sweetfish)は、日本を代表する川魚であり、学名はPlecoglossus altivelisです。日本全国の河川や湖沼に生息し、その美味しさと特有の香りから「香魚」とも呼ばれています。鮎は日本文化に深く根付いており、釣りや食用として広く親しまれています。
生態と生息地
■生態:鮎は一年魚であり、春に河口付近で孵化し、海に下る「降海性」と、河川に留まる「河川残留型」がいます。孵化後、数か月を海で過ごし、春になると再び川を遡上し、夏に成魚となります。
鮎は主に植物プランクトンや藻類を食べます。特に川底の石についている藻類をかじり取るため、鮎が川底を移動する様子が「苔むす」川底を形成します。
■生息地:日本全国の清流で見られ、特に名産地として知られるのは、四万十川、長良川、吉野川などです。これらの川は水質が良好で、鮎の生育に適しています。
■外観:鮎は体長20cm程度まで成長し、体は細長く銀色で、背中は青緑色を帯びています。体表は滑らかで、細かい鱗に覆われています。
口は小さく、鋭い歯を持ち、藻類をかじり取るのに適しています。成魚のオスは繁殖期になると、背鰭や胸鰭にオレンジ色の斑点が現れることがあります。
■香り:鮎の特徴的な香りは、体内の脂肪から発せられるもので、「スイカのような香り」とも形容されます。この香りは鮎が藻類を食べて育つことで得られるもので、鮎が「香魚」と呼ばれる由来となっています。
■味わい:鮎の身は淡白でありながらも豊かな風味があり、特に脂が乗った初夏から秋にかけてが旬とされます。内臓にはほろ苦さがあり、これが鮎の味わいを一層引き立てます。
鮎を甘辛いタレで煮込んだ和食の一品です。鮎は、身が柔らかく、脂がのっているため、煮込むことで旨味が凝縮され、とても美味しくなります。骨も柔らかくなるので、食べやすくなります。
材料
鮎 … 6尾
しょうが … 1かけ
醤油 … 大さじ2
みりん … 大さじ2
砂糖 … 大さじ2
水 … 500ml
作り方
鮎を水洗いして、水気をふき取る。
しょうがをスライスする。
鍋に、醤油、みりん、砂糖、水、しょうがを入れ、中火で煮立てる。
煮立ったら、鮎を加え、弱火で20分ほど煮る。
火を止め、鮎をタレに浸して冷ます。
冷めたら器に盛り、タレをかけて完成。
甘辛いタレがよく染み込んだ鮎の甘露煮は、ご飯のおかずにぴったりです。
日本の夏の風物詩の一つです。鮎は丸ごと焼いて、骨ごと食べるのが一般的です。まず、新鮮な鮎を購入し、内臓を取り除きます。その後、表面を水で湿らせ、塩を振りかけます。焼く前に、鮎に穴を開けて空気が通るようにします。焼く際には、中火でじっくりと焼き上げます。皮がパリッと香ばしく仕上がったら完成です。骨まで食べられるように、皮を剥がさずに食べるのが鉄則です。
材料:鮎、塩、片栗粉
作り方:
①鮎を開いて内臓を取り除く。
②鮎の表面に塩をまぶす。
③鮎に片栗粉をまぶし、余分な粉を払う。
④鮎を焼く。